第45章 二人の時間
お風呂から出ると大きなバスタオルを広げ私を包み込んでくれた。
「自分で拭けますっ!」
降谷さんは自分のことはさっさと拭いて、下着まで付けていた。
タオルで身体をわしゃわしゃとされるのは照れ臭い。
髪の毛は洗っておらずまとめているだけだから、身体だけとは言え、明るい電気の下で見られるのはさすがに無理だ。
「…犬みたいだ。」
「そのままその言葉お返ししますよ!」
「誰が警察の犬だ。」
「そんなことまで言ってません。」
ふふっと笑って私の胸の上からタオルを巻きつけた。
「よし。」
「服着るので、向こう行っててください。」
「いや、いいだろ。このままで。」
「…へ?」
「布団行こう。」
そう言ってまた再び私を抱きかかえたのだ。
「わっ!ちょ…っと!」
ふわっと揺れる浮遊感に驚いて降谷さんの頭に抱きつくと、降谷さんは嬉しそうにわたしの胸に顔を押し付けてきた。
「うん、いい感触。」
「…っ。」
下着を開けてないタオルだけだから、本当に私から胸を降谷さんの顔に押し付けたようになってしまっていた。
「真面目そうなのに変態っ!」
「男なら普通だ。」
「降谷さんはもう人間でも男でもない…」
「…お前な。」
実は双子か三つ子じゃないかと本気で思ってる。
じゃないと仕事量に説明がつかない。
ゆっくりとベッドに降ろされ私たちは見つめ合った。
「ーー…早く降谷さんの隣に自信を持って立てるようになりたいです。」
「充分だと言ってやりたいが…。上を目指すのはいいことだ。頑張れよ、歩く資料室。」
「…んもうっ!真面目に話してたんですよ!降谷さんまでそんなこと言って!」
歩く資料室は褒められてるのかどうか分からないけれど、降谷さんの表情からは揶揄ってるようにしか見えなかった。
「あははっ!」
声を上げて表情を崩して笑う上司に私は驚いた。