第45章 二人の時間
今日は、そういう日なんだと認識してしまうと、心臓が急に大きく高鳴り始めた。
「誰にも…邪魔されたくなかった。」
「…っ。」
後ろから腰に両手が回ってきて優しく抱きしめられた。
「やっと…。やっと二人だけの時間だ。」
「ふる…やさん……。」
首元に顔を埋め、段々と力が入って行く降谷さんの腕の中で、どうしようかと力が入ってしまった。
「…あ、汗…かいてて。」
「いい。」
「や…です。」
「…汗、流すだけだ。」
そう言って、降谷さんは私から手を離すとお風呂場の方へと行ってしまった。
降谷さんが先に入るのかな。
ドキドキしながら私は買ってきた下着の包装をはずしたりしていると、降谷さんが顔を出した。
「は,早いですね!」
「いや、まだ入ってない。」
水の音がしていたからてっきり入ったものだと思っていた。
「おいで。」
「…え?」
「お風呂溜めたから。」
…………。
それはお風呂入れたから入っておいでって意味なのか。
それとも、お風呂一緒に入ろうって意味なのか。
一緒にお風呂は…まだ無理だ。
絶対無理だ。
身体全てを見られることも恥ずかしいし、降谷さんの肉体を直視できる気がしない。
「ありがとうございます。降谷さんお先にどうぞ?」
ふんわりと“別々に入りましょう”と意思表示をしたが、降谷さんは眉間に皺を寄せるだけだった。
「いいから、早く。」
「…い、一緒は…!」
「めぐみ。早く。」
「む、無理です!」
手首を掴まれズルズルと浴室の方へと引きずられるのを必死で抵抗した。
「僕が入りたいんだ。」
「私は嫌です!」
「なんだ、めぐみならノリノリで来てくれると思ったんだが。」
「むむむむむり!」
「別に裸は何度も見ただろ。」
「お布団の上の薄暗い部屋での降谷さんと、明かりの下での降谷さんとでは全然違います!」
「…僕?」
降谷さんの腕を掴み、私は必死に首を振った。
「僕を見れないのか?」
「……だって。」
降谷さんの身体が美しすぎるから、なんて言えないよ。