第45章 二人の時間
降谷さんにただ着いていき、降谷さんの車の助手席に私も乗り込んだ。
少ない手荷物でちょこんと座る。
…え。
お泊まりだよね。
いや、家がない私に布団貸してくれるだけ?
そんなわけないか。
今までお互い忙しくて、仕事帰りの降谷さんが私の家にふらっと寄って、寝ることはあったけれど、二人で一緒に帰って朝まで一緒。と言うのは始めてだ。
降谷さんが黙って車を走らせているあいだ、私は悶々と考え続けた。
着替えも何もない。
実家の母にとりあえず数日分の私の着替えとかを警視庁に送っといてくれ、としかお願いしていない。
…お泊まりーーー…。
私は赤くなる顔を隠すように窓の外に顔を向けた。
「スーパー寄るぞ。」
「は、はい!」
「何を緊張してる。必要なもの買っておいで。」
…必要なもの!
車から降りてスーパーに入り考えた。
下着や歯ブラシもスーパーにはあるだろう。
カゴにポイポイ放り込み、とあるコーナーで立ち止まった。
…必要な……もの?
え。ゴム買ってこいってことかな。
いやいやいや。
お泊まり道具のことだよね。
私に買っておいでって言わないよね普通。
私は並べられた0.02だとか、超薄めなどと書かれた、小さな箱から視線を外し慌てて陳列棚から離れた。
「買わないのか?」
「むぎゃっ!」
どこからか現れた降谷さんに耳元でつぶやかれ私は飛び上がった。
「ち、ちがっ!その…!」
「大丈夫、もう買ってあるから。…足りるか?もっと必要か?」
真面目な顔して箱を手にする降谷さん。
「一応二箱あるんだが。」
「ひぃっ!そんなに使いませんって!」
ふっと笑って箱から手を離す降谷さんに私は一歩下がった。
ーー…まって!二箱っ!?
その笑みはなんだ。使い切れるわけがない。