第42章 元上司 降谷零の謀略
「で、どうしますか、降谷さん。」
警視庁の執務室に着くと、昨日と同じようにわらわらと部下たちが集まって来た。
席に座ると、高橋が僕の机に手をつき、目を輝かせて言った。
「どうするとは?」
「めぐみのことっすよ。」
「別にどうもしない。」
「えぇ!?」
「結納をしようが、別に籍をまだ入れるわけじゃない。これはただの詐欺事件だ。」
「…。」
「我々公安が出るようなものじゃないだろ。捜査2課に話を出して、逮捕して貰えばいい。その後夏目には話をする。」
僕がそういうと、高橋をはじめ全員がわかりやすく大きな大きなため息をはいた。
「…なんだ。」
「それでいいんすか、降谷さん。」
「……まぁ、一応明日僕は行く予定だ。」
「みんなでいきましょうよ。」
「君らは行く必要ないだろ。」
すると風見が眼鏡に手をかけ、微笑んだ。
「上司の一大事。部下が動かなくてどうしますか。明日のために自分たちの仕事は明日の分空けてます。いつでも動けます。」
「めぐみさんの旅館の監視カメラ、すでにハッキング済みです。ガバガバのセキュリティーですね。いつでも旅館に侵入できます。」
影月がどこから用意したのか旅館の鍵らしきものを取り出した。
一般のよくある旅館にそんな影月が手こずるようなセキュリティーなんてあるわけがない。
「あの旅館に出入りしている業者の制服とIDも用意してます。降谷さんのサイズです。」
僕の机に茶色の作業着のようなものを置くローラ。
僕に潜入しろと言うのか。
「結納の邪魔しましょう。容疑者は僕たちが抑えます。」
にかっと笑う高橋。
「……。」
やる気満々の部下たちを前になんと言おうか迷っているとくしゃくしゃになった、如月奏の写真を風見が取り出した。
「こんなにして捨ててやりたいくらいの男は我々が直接叩き潰してやりましょう。降谷さん。」