第42章 元上司 降谷零の謀略
確かにコナンくんには自分の部下としてめぐみを紹介したことがある。
ただその一度だけだ。
「なんでそう思ったんだい?」
「んー、安室さんにとって特別な人なんだろうなって。わざわざここに連れて来てるのもそうだし、僕に紹介したのも。」
「…。」
「だってめぐみさん以外僕は知らないよ。」
風見は確かに紹介というより、捜査中に会わなければならなかっただけだ。
髙橋や他の部下がたまたまコナンくんと会ったとして、めぐみの時と同じように紹介しただろうか。
ーーー…そうか。その時からすでに僕にとって彼女は特別だったんだな。
自覚をしないというのも、だめだな。
と、心で自分を責めた。
「安室さん、そろそろあがりの時間じゃ無いです?」
梓さんに言われ僕は時計に視線を向けた。
「そうですね。今日は急いで帰らないと。」
コナンくんの他にお客さんはいないので、その場でエプロンを外していった。
「この後まだ仕事なの?」
「そうだよ。彼女によりを戻してもらわないといけないからね。」
「きゃっ、安室さん積極的!」
梓さんは両手で自分の頬に手をやり顔を赤らめていた。
ーー…積極的。たしかにめぐみにはもっとはっきりと積極的に責めていかないとダメなようだ。
いつもめぐみの方から真っ直ぐ気持ちを伝えてもらうばかりで、僕はあまり出来てなかったかもしれない。
自分では最大限の愛情表現のつもりだったんだが…。
真っ直ぐとーー…
これから先も彼女と共に歩みたいとーー…
今度こそ伝えよう。
だから、他の男と結婚なんて絶対に許さない。
警察も辞めさせるつもりはない。
「安室さんが事件以外でそんな真剣な顔するの初めて見たよ。」
コナンくんに指摘され、きょとんとしてしまった。
「確かに…どうやら思った以上に彼女のことが真剣みたいだ。」
「今自覚するの変な安室さん。」
ふふっと笑うコナンくんにアイスコーヒーのおかわりをお礼代わりに出してあげて、ポアロを後にした。