第42章 元上司 降谷零の謀略
全員の報告を聞き、みなの働きのおかげで九条の件はほぼ解決した。九条は僕にもう興味はないだろう。
僕の手元にめぐみの退職届があるので、まだあいつはやめたことにはなっていない。
「わかった。みんなの報告を元に、これからのことを考えておく。今日はもう遅い。明日の午後にまたここに来よう。」
机に広がる書類や写真をまとめていくと、影月が僕に一枚の写真を差し出した。
「わかりました…が、結納は今週末、2日後です。こいつが如月奏。めぐみさんの結婚相手です。」
隠し撮りされた袴姿の男性の写真。
僕はマジマジと見る前に、右手で握りつぶし、
「あ、つい。」
と言いながら足元のゴミ箱に捨ててやった。
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次の日。
朝からポアロだ。
今日は午前で終わりなので、午後からまた本庁に行かなくてはならない。
…明日にはめぐみが結納か。
なぜ僕に何も言わなかった。
いや、携帯が繋がらなかったのか。
九条はめぐみにとってはかなりの上官だ。
『降谷も承認した』ともし言われていたとしたら、めぐみなら信じるしか出来なかっただろう。
ーー…どんな気持ちで警察を辞めたんだ。
「…さんっ!…安室さん!」
「あ、すみません。ぼーっとしてました。」
客が帰った後のテーブルを拭きながら考え込んでしまっていたらしい。
梓さんに声をかけられ、我に帰った。
「珍しいね。安室さん。」
「あれ、コナンくん。来てたのかい?」
「僕が来てることも気づいてないなんて、安室さんらしくないね。何かあったの?」
「ちょっと…ね。」
布巾を手にカウンターに入ると梓さんがにまにまと笑いながら僕の顔を覗き込んできた。
「さては彼女さんと喧嘩でもしたんじゃないですかー?」
「えっ?…あはは。まぁ、そうかな。」
苦笑いを浮かべると、梓さんは“やっぱりー!”と顔を赤らめた。
「安室さん、彼女いたんだ。」
アイスコーヒーをストローで飲みながらコナンくんが言った。
「内緒だよ。梓さんもあんまり言わないでくださいね。」
「わかりました!炎上怖いですしね!」
梓さんの視界から隠れながら、コナンくんは僕の耳元に手をやった。
「あの部下の人でしょ。」
コナンくんに言い当てられ僕は目を丸くした。