第42章 元上司 降谷零の謀略
結納…婚約…入籍…。
幼なじみの男と?
次々と報告される影月の言葉が頭の中でこだました。
「めぐみさんは結婚は自分が望んだことではなく、詐欺にあった夏目家を救うためのようですね。」
「…んだよそれ。なんで結婚で救うことになるんだよ。」
高橋の言葉に影月は続けた。
「詐欺でお金を騙し取られて、改装費用がなくなったので、めぐみさんと結婚することを条件に如月建設が改装を格安で請け負うんだそうです。」
「それって、如月ってやつも騙してんじゃねーの?」
影月は小さく頷いた。
「そうです。まさにその通りです。元々の架空の建設会社も如月建設が作り上げたものです。」
僕は目頭を押さえ、大声を上げてしまいそうなのを抑え込んだ。
「…夏目は何故騙された。そのくらい気づきそうだが。」
「それが、息子である“奏”は学生の頃から旅館でバイトをして、かなり仕事ができ、信頼を得ているようですね。よく知った人物。しかもめぐみさんにとっては幼なじみ。」
大きなため息をついた。
「如月は困ってる夏目家の両親につけ入り、めぐみさんと結婚することで、婿養子に入り、最終的に旅館ごとのっとるつもりのようです。」