第40章 結婚
私の横に座って、にちゃっと笑う如月さんに私は最大限の愛想笑いを浮かべた。
この人の機嫌を損ねたらお金もらえない。
最低な考えだけど、こっちだって結婚するんだから許してほしい。
私の貯金だけじゃさすがに改装増築費用は全部は出せないんだ。
「両家のことなので、またスケジュールを合わせましょう?」
ほほほっと話を終わらせようと適当に答え、私は食べた食器を片付けだした。
「そうだね!うちはいつでも大丈夫だから、結納は早めにしよう。」
「そうですね。」
「警察をやめてきたんだってね。めぐみさんが警察官だったなんてかっこいいなー。」
「そんな大層なものじゃないですよ。」
目を輝かせ後ろにピッタリひっついてくる。
「昔っからめぐみさんはみんなのヒーローみたいでかっこよくて僕の憧れだったんだ。嬉しいなー。そんなめぐみさんをお嫁さんに出来るなんて。」
「はは…。」
如月さんは私の手を取りぎゅっと握ってきた。
「めぐみさんのお婿さんになってこの旅館を立派にしてみせるからね。」
「…ありがとう。如月さん。」
「やだな、もう夫婦になるんだから。奏って呼んでよ。」
「………はい。奏さん。」
ぞわっと鳥肌がたったのがバレませんように。
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如月さんが去ったのを確認して、後ろの方にいた武蔵が舌打ちをしながら私の横に来た。
「ほんっっっとーーーにいいの?姉さん。」
「いいの。結婚したら仕事漬けになればいいし。」
「…あんなやつと子作り出来んの?」
「なんってこと姉に聞くの。…ほら、夫婦は絶対子供いなきゃダメってことはないし?」
「でも、あいつ絶対籍入れた瞬間、襲ってきそうじゃん。」
………。
アレと子作りーー…?
だ、だめっ!想像しちゃだめ!!
湧き上がる嫌悪感を表に出さないよう装いながら、笑顔で武蔵を見上げた。
「むっちゃんの義理の兄になるんだから仲良くしなきゃだめよ。」
「いやだ。」