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うちの上司は【DC/降谷】R18

第37章 本音


ベッドに腰掛けてなんだか嬉しそうな弟を見つめた。

日サロだろう、少し色黒になった肌に金髪、以前は黒髪に少しパーマをかけてたのに全然雰囲気が違う。

「髪の毛傷んでパサパサじゃない。」

降谷さんはサラサラだもん。


「姉さんの次の好みじゃん。」

ふっと髪の毛をかきあげて爽やかに笑う弟の笑顔は、仕事をしてる降谷さんとはまったくの正反対で、思わず笑ってしまった。

「似ても似つかないよ。」


私がじんぺーくんと別れて、実家に帰った時も弟はそうだった。

もしかして私を笑わそうとしてやっているのだろうか。
…いや、考えすぎかな。


「ありがと。」
「俺の方がいい男だろ?」


ただの対抗心だけでなってるだけなのかもしれないけれど、ちょっと元気出た。



動きやすい格好に着替えて髪の毛をまとめた。
旅館のお手伝いって言っても裏方だろう。


「姉さんはなんで警察辞めたんだよ。」
「…色々あるの。」
「旅館継ぐの?」


明治から続くこの旅館。
代々受け継いできた大切な旅館。
無くしたくない気持ちはあるけれどーー…。


「…うーん。」


私はどうしたいのか弟に何も言えなかった。





『君には警察を辞めてもらう。』




頭に響くあの人の声。

「どうしたらよかったんだろうーなぁ…。」


私に選択肢なんて無かったんだ。





「そう言えばむっちゃん大学は?」
「辞めた。」
「はぁ!?」

「それで、前に親父と喧嘩して姉さんの家に転がり込んだんだよ。」
「勝手にしたんなら怒るでしょ。」
「別に俺の好きにしたっていいだろ。」
「好きにしていいけど、ちゃんと話さなきゃ。」

一応お金は親に出してもらってるんだから。

「姉さんだって話さないじゃん。」
「警察には言えないことがたくさんあるの。」


武蔵は通っていた大学を辞め、私は警察を辞めた。


「姉さんは辞めたかったの?」

「……。」

「それともここを継ぐの?」

「……色々考えてるの、ちょっとほっといて。」








…辞めたくなんてなかった。




あの日の声が頭の中で繰り返される。

『辞めてもらわないといけないんだ。わかってくれるね?夏目さん。』

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