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うちの上司は【DC/降谷】R18

第35章 どうか


「…ぐっ。」
「ぐえ。」
「…わっ!」
「ぎゅ…」




「…いちいちうるさい。」

床に背中を打ちつけるたびに声を上げていたら、床に倒れる私を見下ろし降谷さんが言った。


「いやぁ、受け身の練習になりそうです。」
「まったく仕掛けてこないじゃないか。」

「…降谷さん隙がなさすぎて、威圧だけで萎縮しちゃって。」
「それを犯人を目の前にしても言うのか?」

上司の顔だ。

高橋が鬼気迫ると言っていたが、今はそうは感じられなかった。
いつも通りの厳しく、手加減のない降谷さん。



「柔道でも、合気道でも、空手でも、なんでもいい。制圧するつもりで逮捕術でこい。形にとらわれるな。」
「はい。」

私は立ち上がり、目の前の降谷さんを見た。

ーー…ふぅ。



真剣な表情で私の動きを読もうとする降谷さんの目は本当に鋭くて、額から汗がたらりと伝うのがわかった。


降谷さんが私の胸元を掴もうと右手を伸ばしてきた。
私はその右手首を掴み、その勢いのままに捻ろうとしたが、降谷さんのもう片方の手が私の手首を掴み逆に捻りあげられてしまった。


「まだまだだな。」
「早すぎますよ…!」

私はしゅんと落ち込むふりをして手の力を緩めると、降谷さんも力を抜いた。

その隙をついて私は降谷さんの足を払い肩を後方に押し倒した。


「隙ありぃ!」
「なっ!」
「形にとらわれるな!制圧完了ですっ!」

手の甲をひねり、動けないように床に押し付け降谷さんの腰に上から馬乗りになってやった。

「卑怯だぞ。」
「なんでもいいと、降谷さんがおっしゃったんですよ?」
「…はー。」

呆れたようにため息をつき、ふっと私を見上げながら優しく微笑んだ。


「振り回されてばかりだな。」
「…振り回す?」

卑怯な手ではあるけれど、振り回した覚えはない。

「いや。」


降谷さんは私からそっと視線をそらした。


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