第33章 ポアロにて
「女性に睨まれた事はないですよ。というより、私も安室さも忙しくてあまりデートした事ないんです。」
まぁ、一度もない。
安室さんもそうだが、降谷さんとだって一度もデートなんてしたことがない。
いまさらデートってどうしたらいいのかわからない。
「えー!?デートしないで何してるんですか?」
「お仕事であったり…家で食事したり?」
「え。」
怪我をしている梓さんは片手で作業をしながら、口をぽかんと開けた。
「まぁ、人はそれぞれ付き合い方はありますよね!でも…めぐみさんはもっと安室さんと遊びたく無いんですか?」
「……。」
スーツをピシッときて、仕事をする降谷さんの姿が頭に浮かんだ。
真剣な顔で書類に目を通し、
射撃訓練に、体術の訓練。
怒られる事だってしょっちゅうだし、何かあれば現場にも駆けつける。
そんな彼と…遊ぶーー…。なにして?
「私は…、探偵頑張ってる安室さんを好きになったので…。色々な安室さんももちろんみたいけど、今はこのままでも十分幸せかな。」
「そういうのも素敵…!お二人は結婚とか考えてるんですか?」
梓さんに聞かれ、私は手を止め眉を寄せた。
「結婚はまったく考えてません。」
「あ、まだ半年ですもんね。」
私があまりにきっぱり答えたもんだから、梓さんは少し気まずそうにそう言った。
「いえ、安室さんのことをそういうふうに見れないとかそういうわけじゃなくて…。私自身、結婚しようとか考えた事なくて。」
「願望ないんですか?」
「……まぁ。そうですね。する気ない…かな。」
だって…結婚はーーー…。