第33章 ポアロにて
上司のまた新しい顔が見れて大満足だ。
「甘えん坊って全然想像できないです!安室さんったらいつも余裕な感じじゃないですか。」
「そうですよねー。探偵と喫茶店の両方って疲れるじゃないですか。たまに癒して欲しいみたいですよ?」
サンドイッチにラップをかけていると、すすすーっと近づいてきた梓さんが興味津津な様子で私の腕を引いた。
「た、たとえば?」
「梓さん。困りますよ。そんなに聞かないでください。めぐみさんも秘密だから。ここで働けなくなるじゃないか。」
「大丈夫ですよ!安室さん!誰にも言いませんから!こんな事営業中に話してたら炎上しちゃいます!」
「そういう問題じゃ…。」
ふふ。
困ってる困ってる。
いつも私にしてることを返してるだけ。
私は悪くない。
と、必死に自分を正当化しようとしたが、まったく目が笑ってない安室さんと一瞬目が合い、肝が冷えた。
わ、悪くないっ!
「あと30分くらいでみなさんいらっしゃる思いますから、料理以外のコップやお皿並べときましょうか。」
「わかりました。」
梓さんの声に私は慌てて安室さんから目を逸らし、作業に移った。
「じゃあそれはお二人にお願いして僕は外の掃除をしておきますね。」
「お願いしまーす。」
「めぐみさん。僕のことあんまり話さないように。恥ずかしいから。」
「はーーーい…。」
箒を持った安室さんは私に念押しをしてから出て行った。