第5章 デート
資料室で古い資料をかき集めて、ひとつだけ置かれている机に積み上げていた。
降谷さんから調べてほしいと言われ頭に叩き込んだ事件はバラバラだ。
強盗、薬物、殺人、恐喝ーー…
犯人の性別も出身も年齢もバラバラ。
「どうまとめればいいんだ。」
資料を集めて、頭の中で組み立てていく。
「あ、これ。浅原組関連の事件か。」
今はなき浅原組。関東を中心に活動していたはずだ。
私は資料室の奥から反社に関する資料を取り出した。
「降谷さんが組織に潜入する前に無くなった組か。組織によって消された組ーー…。」
無くなったと言っても解散しただけで、人が全員死んだわけじゃない。当時のメンバーについて何か知りたいのかもしれない。
浅原組に所属していたメンバーで、それに関する事件を洗い出してみるか…。
膨大な量だ。
とりあえず幹部から調べていけば何かわかるかもしれない。
私は机の上のパソコンで検索をかけていった。
自分のノートパソコンを資料室に持ち込み、入力していく。
黙々と作業をしていると目の前に私がよく飲む円柱型のあまーいカフェオレが差し出された。
「ん。ありがと。ちょうど喉乾いてた。」
私は受け取り、それをちゅーっと飲み干しゴミをまた返した。
カタカタと入力していく。
「すごい集中力だな。」
「…んっ?」
私は手を止め見上げた。
「ふ、降谷さんっ!」
「もう夜中の3時だぞ。」
「え?」
資料室には窓はなく外の様子がわからなかったから全然気付かなかった。
降谷さんの手には私がさっき飲んでいたカフェオレのゴミが握られている。
「あ!すみません!」
私は慌てて降谷さんからゴミを受け取ろうとしたが、降谷さんは気にせずゴミをゴミ箱に放り投げた。
飲むだけ飲んでゴミを渡してしまってた…!