第31章 お手伝い
じとりと見下ろされ私は必死に表情に出さぬよう、視線をそらした。
「降谷さんがここにくるのは危険だわ。」
「そうですよね。」
「…あなた。」
「はい?」
「もしかして降谷さんが好きなの?」
「……私にとっては上司です。」
どきどきどき…
そう言うふうに聞いてくるってことはやっぱりローラさんも…。
だからと言って勝手に私たちの関係を話すわけにもいかない。
…でもじっと探るように見てくるローラさんをごまかせる自信がないっ!!
私はにこっとローラさんに笑いかけ、給湯室から出ようとした。
「じゃ、お疲れ様でーす。」
顔には出さぬよう私はローラさんの横を通り抜けていった。
その間じーーーっと見られている視線に気付かないフリをして。
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「ってことがあったんですけど!」
『そうか。』
電話の向こうでふふっと笑う降谷さん。
一応怒ってるんだけど!
「誤魔化すの大変なんですから、もう公安部には来ないでくださいよ!」
『さぁ。』
…さぁ!?
「大丈夫って言ってたのにローラさんに見られてるじゃないですか。…ゼロですよね!?」
『僕を知ってるローラだからわかっただけで、僕を知らない捜査員が後ろ姿見たくらいじゃなんともないさ。』
「…。」
『それ以上にめぐみに会いたかった。こうでもしないも会えないだろ。』
「…ぅ。」
運転中なのだろう、たまにウィンカーの音やエンジン音が聞こえていた。
私はもう家で、ソファで休んでいるが、降谷さんはまだ外にいる。
確かに会える時間は…あまりない。
「あ…あんまり甘い言葉言わないでください……。」
『なんでだ。』
「降谷さんは……私を叱ってたらもうそれでいいです。」
降谷さんが優しく私に甘いセリフを吐くのは、まだ慣れない。
心臓がおかしくなりそうだ。
特に電話は耳元だから…。
『お前な。僕をなんだと思ってるんだ。』
「…。」
叱ってくれ。なんてただ変態だ。
『めぐみ…会いたい。』
「…ひっ。」
『今すぐめぐみを抱きしめたい。』
「ひぃぃ!」
『くくくっ。』
「か!からかってないで、早く明日のことを教えてくださいっ!」