第30章 ヒミツの関係!
降谷さんが会議室から出て行ったので、私は部屋の端に行きストッキングを脱ぐと少し迷った。
ーー…さすがにゴミ箱はだめだな。女子トイレのゴミ箱…。
と、考えわたしはとりあえずスカートのポケットに丸めて突っ込んだ。あとで自分の鞄に入れ替えて家で捨てよう…。
降谷さんが厳しい人だとはよく知っているけれど、恋人にもあそこまでドSだとは思わなかった…。
いや、めちゃくちゃ甘えてくるのもおかしいか。
私は先程、後ろから甘えるように抱きしめてきた降谷さんを思い出した。
ーー…本当はもっと甘えたり笑ったりする人なのだろうか。
実は“安室さん”みたいににこやかなのが本性だったりしたらどうしよう。
ギャップに驚いてしまいそうだが…たぶんどんな人であってもきっと全部降谷さんなんだろうな。と漠然とそう思った。
先程の行為でズレてしまった机を直したり、途中だったプロジェクターの確認をしていると、後ろの扉があけられた。
「あれ?どうしたの?」
入ってきたのは降谷さんではなく高橋だった。
てっきり私の机からストッキングを持ってきてくれた降谷さんだと思ったのに。
「降谷さん…。」
「えっ!?」
深刻な顔で扉からこちらを見る高橋に私は焦った。
私の机からストッキングくすねるところを見てしまったのだろうか。
それは大変まずい。
私が頼んだと知らない高橋からみたら、ただの痴漢で変態の気持ち悪い下着ドロボーだ。
いくら新品だとしてもだ。
「ど、どうしたの?」
「なんかあったのか?機嫌悪そうだった。」
どうやら見られたわけではなさそうだ。
「…ん?さ、さぁ。」
「なんか、急に特に重要そうじゃない資料を公安部に持って行けって言われて帰りにコーヒーを買って来いって。」
「……。」
めちゃくちゃ職権を濫用して私の席の隣から追い出そうてしてるじゃないですか。
「もしかしたら、すごく重要なのかもよ?」
「いやでもレシートと経理精算の申請用紙だぜ?月末でもないのに。」
ーー…もっとなんかあっただろ!
「こんなこと頼まれたことないからさ、何か怒ってんのかなーって。」
帰りなのか、右手に缶コーヒーを持った高橋が首を傾げた。