第30章 ヒミツの関係!
素足を見られるのが恥ずかしくて、私は机を直すフリをしながら高橋から足が見えないところに移動した。
別に素足だろうが、ストッキングだろうが、いちいち見ていないだろうけれど、さっきまでのことを考えると気まずかった。
「確かに降谷さんにしては珍しいかもしれないけど。…降谷さんは無駄なことはしないし頼まないよ。きっとそこには重要な何かあったんじゃない?」
「経費精算に?」
「……うん。」
説得力ゼロ。
「ほら、重要な電話をしたかったから、部屋から出て行って欲しかった。とか。」
「そう言う時は1人で勝手に部屋から出ていくだろ、あの人。ていうか、俺が部屋に入ったとき、降谷さん俺の机の近くにいたんだよな。」
ーーー…机にいた高橋を執務室から出したんじゃなくて、執務室で私の机からストッキング取ろうとした瞬間に、高橋が執務室に戻ったのか。
なんてこった。
「…へ、へぇ。」
ポケットからにょろっと出てないといいけど。
「ふ、降谷さんっ!」
降谷さんのズボンのポケットからはみ出したストッキングを想像していると、扉のところに立っていた高橋が扉の外を見て声を上げた。
「何してるんだ。」
「あ、いや。コーヒー買ってここでめぐみが作業してるかなーって覗いてただけっす。」
「……。」
私からは降谷さんが見えないが、扉の向こうにどうやら降谷さんが来たらしい。
「コーヒーどうぞ。書類も公安部の経理に渡しときました。」
「あぁ、助かった。」
「……あー…じゃあ、俺は失礼します。」
ぺこっと会釈して、私にアイコンタクトを送ると、そそくさと会議室から去って行った。
それと代わるように、降谷さんが再び会議室に入ってきて鍵をかけた。
「ったく。面倒なこと頼んだな。本当に。」
ぽいっと投げられた小さな袋に入った新品のストッキング。
ーー…やっぱり素足でもいいっていったのに。
「ありがとうございます。」
あとでトイレで履こうと私は受け取ると降谷さんに視線を向けた。
「めぐみの机から取った瞬間に高橋が執務室に戻ってきたから焦った。」
「…降谷さんでも焦ることあるんですか?」
「当たり前だろ。」
じとりと目を細め私を見てきたので、私は驚いた。