第28章 ヒミツの関係
私の後ろから缶コーヒーを奪い取ろうとするのを私は後ろに下がりながらそれを避けた。
「これはダメです。」
「なんでだ。…高橋からもらったやつだからか。」
資料室の棚にぐっと押し付けられ、それでもコーヒーをとられそうになったから私も意地になってそれを避け続けた。
「ち、違いますよっ!」
「やっぱり高橋とは付き合ってたのか。」
「違いますって。」
「…めぐみ。」
仕事中にはいつも名字で呼ぶのに、急に名前で呼ばれて、私は固まってしまった。
「仕事…中は…ダメですよ。」
「家にはハロがいる。」
降谷さんは持っていた捜査資料を棚に乱暴に置き、私の顔を覗き込んできた。
「やらなきゃいけないこと、たくさんありますし。」
「このあとすればいい。めぐみならできるだろ。」
私が降谷さんに甘くて断れないの知ってるくせに。
「…一回……すると、止まれなくなっちゃいます…。」
そう言いながら、私は降谷さんの胸にそっと手のひらを寄せ顔を上げた。
ふっと、笑う降谷さんは私の耳の辺りをサラリと撫で、
「止める必要あるか?」
と言うと、強く引き寄せられた。
「…っん…」
柔らかい降谷さんの唇が触れ、全身が痺れるみたいにドキドキした。
私は降谷さんの上着の中に手を入れ、綺麗な白いシャツを握りしめた。
ーー…やっぱり降谷さんのキスは甘くて気持ちいい。
舌を絡め必死に彼に合わせた。
ハロのいる家では甘えることは出来ても、こんなキスは出来なくて凄く久しぶりーー…。
「……っふ……はぁ…っ…」
「めぐみ…」
降谷さんの手が、お尻の下あたりを撫で始めて、私はさすがに慌てた。
「……ん…やっ…だめ…ですよ。」
止める必要は無いって言ってもキスだけだ。
ここは資料室。
「…いつ出来るんだ。家にはハロがいる。」
ゆっくり私から離れた降谷さんが少し拗ねたように言った。
仕事中に見ることはまず無い顔で、キュンとしてしまった。