第27章 どっちが好き?
シャワーを浴びて着替えていると、ふとゴミ箱に少し血が滲むガーゼが捨てられているのが見えた。
「あ、包帯巻き直さなきゃいけないんじゃ…。」
降谷さんのことだから器用に自分で巻いただろうか。
私は急いでリビングに向かった。
「降谷さん、包帯どうされました?」
「あー…してない。」
「じゃあ、私しますよ。言ってくださればやったのに。」
「もう大丈夫だろ。」
「抜糸まではだめです。今日の退院した時の荷物にお医者さんからそのセットもらってるはずです。寝室に荷物あるので行きますよ。」
「…あぁ。」
ソファから立ち上がった降谷さんは私の寝室にむかった。
「じゃあ、座っててくださいね。」
降谷さんをベッドに座らせ、私は荷物を漁った。
消毒、ガーゼ、包帯が入れられた袋を取り出し、私は降谷さんの前に膝をついた。
「お腹出してください。」
「…。」
降谷さんは黙ったままシャツをめくった。
…部下にこんなことされるのは嫌だろうかと思ったが、怪我をしているのだから仕方ない。
お風呂上がりで少し柔らかくなった傷がそこにはあり、痛々しかった。
私はなるべく優しく触れていった。
「これ…。」
包帯を最後巻きつけていると、降谷さんが小さく呟いた。
壁に視線を向けていてその先にはドライフラワーがあった。
「あ、わかりました?」
「僕が上げたやつか?」
「はい。ガーベラのドライフラワーって花びらが落ちやすいから難しかったんですけど…でも、綺麗でしょう?」
「わざわざしたんだな。」
「…実は男性からお花をもらったのが初めてなんです。その…嬉しくて。」
壁に下向きに飾っているドライフラワーに私も目を向けた。
弟が受け取って、直接手渡しされたわけではないけれど、降谷さんからってわかった瞬間、一層綺麗で価値あるものに感じたのだ。
「…今日一緒に寝るか?」
「えっ?」
私のベッドに座る降谷さんが、私の手に触れながらそう言った。