第27章 どっちが好き?
食事の後を片付けながら、真剣な顔で携帯でメールを送っている降谷さんを盗み見る。
色んなところに連絡をとっているのだろう。
入院中もきっと携帯で各所に連絡はしていたのだろうが、色々不自由をしているはずだ。
「午後、一度本庁に戻って私も仕事をしてきます。降谷さんのノートパソコンを持ってきますね。」
「あぁ。」
「抜糸終わるまでは、家の中でもトレーニングとかダメですよ。」
「…あぁ。」
返事がワンテンポ遅かったのが気になるが、自分の体のことは自分が一番よくわかっているだろう。
洗い物をしながら、今日の晩御飯のことを考えていると、ふと後ろに気配がして振り返ると降谷さんが近くに立っていた。
手が泡だらけだから、そこから動かず首だけを上司に向けていると、腰の辺りに手を伸ばされ後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「…ふ、降谷さん?」
「色々ありがとな。」
耳元で囁かれ私はピクリと反応をしてしまった。
前から言ってるように私は…
「相変わらず耳が好きだな。」
「…っ。あの…」
降谷さんはスッと手を伸ばすと蛇口の水を止めた。
唇で触れるか触れないか微妙なラインで耳の淵を撫でていく。
「…ん……」
「早くこの先のめぐみがみたいな。」
首の後ろに口付けられ、私はお腹にある降谷さんの腕をとった。
「やめて…ください。これ以上は…」
「…ん?」
「私も…我慢できなくなっちゃう…。」
ゴン。
「いた。」
後頭部に頭突きされ、私は自分の頭をさすった。
「…動けるようになったら覚えてろよ。」
「期待してます…。」
くすくすと笑いながらキスをしようと振り返り降谷さんの両頬に手を添えると、急に私のふくらはぎに衝撃が走った。
「…っ。ハロ。」
足元でくるくる回って頭をすりすりと私達の足にあててくるハロ。
ーー…ぜったいわざとだ。わかってやってるこの犬。