第26章 あなたと共に
「んー…ほら。一度見たら私は結構覚えてるので!」
「影月だな。」
じとりと目を細めた。
「すみません…知りたくて。」
「閲覧に制限をかけているのには、理由があるからだ。次はないからな。」
次はないーー…と言うことは今回は見逃してくれるようだ。
「まぁ、めぐみが僕の情報まで覚えてくれたおかげで、僕は今生きてる。」
「一緒の血液型だったのは偶然ですが…。」
「それでもだ。」
降谷さんは点滴の刺さる針のあたりを撫でた。
「まさか、同じ血液型だとはな。」
「本当ですね。」
横並びにベッドで横になって私は降谷さんから手を離すと、思い出したように笑った。
「流石降谷さんでした。あんなに血を失って作業なんてしてるのは人間じゃないってお医者さん言ってましたよ。」
「失礼だな、人間だよ。」
降谷さんは髪の毛をかき上げた。
「たーくさん私の血入れときました。」
「その言い方なんか嫌だな。」
「ふふ。」
「ところで何で君も入院してるんだ。どこか怪我でもしたのか。」
「あー……ね?」
「なんだ。」
「…病院にもその…ストックがあまりなくて。」
「血液のか?……じゃあ、めぐみが…?」
「規定より多めのギリギリまで血を抜いたので…えへ。あ、でも!増血剤飲んでますし!水分もたくさん摂ってるので!」
降谷さんは眉を寄せ、私に手を伸ばした。
「すまない。」
「…降谷さんはいつも、国や他の人や事件のことや部下の私たちのことまで心配してくれてて、ご自身のことを蔑ろにしがちなんで、せめて部下である私くらい、降谷さんを心配させてください。」
「…部下?」
ふわっと、降谷さんが笑うので、私はすこしドキッとしてしまった。
「部下としてしか心配してくれないのか?」
「…う。」
「あんな熱烈に僕に愛を告げたのに?」
私は触れないようにしていたのに、降谷さんはやっぱり覚えていたようでにまにまと笑い出した。
「あれは…吊り橋効果で、それで…」
「ん?」
「もう!わかってますよね!?」
意地悪そうに笑う降谷さんを私は睨みつけた。