第26章 あなたと共に
ゆっくりと目を開けると、真っ白い天井が広がり、薬品の匂いがした。
すぐに病院だと言うことを思い出し、私は左側に視線を向けた。
ベッドの周りのカーテンは開けられていて、そこには点滴に繋がれてベッドで寝ている上司がいた。
酸素マスクまで付けられていて、いまだに顔色は悪そうだった。
私は自分の左腕を見た。
針の跡ーー…。
私はクラクラとする頭を支えながら起き上がり、とりあえず水分をとり、テーブルに置かれていた増血剤を飲んだ。
「よかった。」
生きてる上司を見て私はぽつりと呟いた。
私はベッドから降りると自分のベッドを降谷さんの方にずずっと押しやった。
「ん…んん。」
ベッドのズレる音で目を覚ました降谷さんが私の方に虚な目で見てきた。
「…何をしてる。」
掠れた声で聞かれ、私は微笑んだ。
「ベッド引っ付けようかなって。」
「…やめろ。おい、ナースコールが。」
「あ。」
コードとかが伸び切ってて、私は慌ててベッドを動かすのをやめた。
仕方ないと、私は反対側にいき今度は降谷さんのベッドを私の方へと押してやった。
「…やめろって。」
コードを気にしつつ、私はカーテンを端にやりベッドをギリギリまで引っ付け横になった。
「……何をしてるんだ。」
「…手を繋ぎたくて。」
そっと手を伸ばし、私は降谷さんの指先に触れた。
ヒヤッといまだに冷たい降谷さんの指先を温めるように包み込んだ。
「…上司を、しかも警察庁のゼロを調べるなんて、クビにされても文句言えないぞ。」
「すみません…。」
「どこで調べたんだ。しかも組織の資料もだろう。」
酸素マスクをぐっと引き剥がし、降谷さんは横になったまま私を睨んだ。