第25章 銃弾
ここに来て違和感を感じた降谷さんは天井などに小さな爆弾がビルの至る所に設置されていることに気がついたんだそうだ。
「一つ目の爆弾に近づいた瞬間、その一つが破裂したんだ。」
「…破裂?」
爆発ではなく?
「炸裂弾だ。破裂し、中から破片が飛び出して少し負傷した。」
ーー…少しどころじゃない。
脇腹からの出血量を見る限り、一刻も早く病院に行った方がいい。
「危険だからほとんどの炸裂弾は離れたところから銃で打ち故意に炸裂させた。」
「残りを私がしてくればいいんですね?」
「あぁ。ーー…しかし。」
「…?」
「ひとつだけ大きな爆弾がある。」
「え?」
「僕はそっちの解除に向かう。そっちは炸裂弾ではなく、残りの火薬をすべてつかったもののようだ。」
「しかし…怪我が…!」
「めぐみは銃で天井とかに付けられた小さい爆弾を撃ち落としてきてくれ。」
降谷さんは脇腹を押さえゆっくり立ち上がると、おでこに滲む汗を拭った。
ーー痛みに耐え、強く立ち上がる上司の姿をみて私は奥歯を噛み締めた。
「…降谷さんの方の爆弾は時限式ですか。」
降谷さんが処理班を呼ばず1人でやろうとしているということは、その余裕がないということだろう。
「ーー…残り10分だ。しかしめぐみ、こちらは気にせず自分の方を。」
「分かってます。私が銃を得意にしてるの、ご存知でしょう?」
「…時間を気にして、焦るなよ。」
少し心配そうに私を見る、降谷さんの目をじっと私は見上げた。
「焦りは最大のトラップなんですよ?降谷さん。」
「…え。」
「こういったときそう心得るよう教わったんです。大丈夫、私に任せてください。」
「…めぐみ。君は…」
私は銃を取り出し、カチャリと握りしめた。
「何かあれば連絡ください。」
私は血だらけの降谷さんをその場に残し、駆け出した。