第25章 銃弾
いつもより早めに私は来庁した。
「おはようございます。」
「よ、お疲れ様。」
高橋たちも言われたようで、風見さんたちもみんな朝早いというのにすでに来ていた。
影くんはというと、ヘッドホンで外からの音を遮断して、自分のパソコンと向き合っていた。
すごい気迫…。
昨日の夜、私と会ったあとからずっとこの調子なのだろうか。
「今、影月が犯人のパソコンにハッキングして、情報を盗もうとしている。」
降谷さんも執務室に入ってきてそう言った。
「影月が作ったシュミレーションシステムで20箇所まで次の爆破地点を絞れた。…しかしいつ仕掛けるかまでは分かっていない。」
「我々がその20箇所をひとつひとつあたっていけばいいんですね。」
風見さんがそういうと、降谷さんが頷いた。
「しかし単独は危険だし、数がまだ多い。もう少し場所を絞れて、時間さえわかれば。」
「…30分でどうにかして見せます。」
ヘッドホンを首に降ろし、少しよれっとした影くんがそう小さく言った。
パソコンの画面から目を離すことなく言う影くんは、誰から見てもカッコよかった。
ぐぅぅー。
「お腹空いてる?」
「…昨日からまだ食べれてなくて。でも大丈夫。もしかしたらすでに爆弾を設置されてるかもしれない。急ぎます。めぐみさんの資料のおかげでシミュレーションシステムを作れましたから。」
カタカタとタイピングしていく影くんに私は自分のカバンからお弁当を取り出した。
そして、箸でアスパラのベーコン巻きをとると、影くんの口元に持っていった。
「食べながらでも出来る?」
「…はい。」
チラッとこちらに視線を送り、パクリと食べると影くんは黙々と作業を続け、飲み込むのを確認するとおにぎりを口に入れてあげた。
「すみません、実はすごくお腹空いてたんです。」
もぐもぐと食べながら影くんは言った。