第25章 銃弾
「……。」
私はなんて言ったらいいのか迷って、視線を彷徨わせながらいると、降谷さんが視線を合わせるように覗き込んできた。
「…ずっと僕に恋人がいると思ってた?」
「…っ。」
だからってなんだと言うんだ、降谷さんに恋人がいようかいまいが、相手は上司だっ!
ーーそんなの……
私がなんて言おうか迷っていると、後ろからドンっと押され、前のめりになってしまった。
「わっ!」
前にもこんなことあった!!
「わんっ!わんっ!」
後ろで吠える嬉しそうな声。
床に手をつこうとしたが、降谷さんが私に手を差し出してくれて私は降谷さんの腕にしがみつくような格好になってしまった。
ご飯を食べ終わり、降谷さんの周りを跳ねるようにくるくる走り回るハロちゃん。
わたしの背中をドンっと蹴飛ばして…
「すっ、すみませんっ!」
「…めぐみ。」
私はすぐに退けようとしたが、降谷さんが私の腕を掴んで離さなかった。
ーー…このままだとまた流されちゃう。
私は降谷さんにーー
降谷さんは私の腰に手を添え、腕を引いた。
「めぐみの家にいるのは…弟さん?」
「は、はい……でも、なんで?」
なんで、家にいるって知ってるんだろう。
「花を…君の家に。」
「えっ!?でも、うちの弟……!あっ。」
花屋が宣伝に来た。とかなんとかあいつ言っていた!
「すみません…、うちの弟、度がすぎるシスコンでして、近くにいる男性は友人だろうがなんだろうが排除したがるんです。」
「排除…。でもよかった。君の家に恋人がいるのかと思った。」
「…っ。私も…降谷さんには…ずっと恋人がいるって…思ってました。」
頬に手を伸ばされ、私は全身に力が入った。
床に2人で座り込み、キスしそうなほどの距離。