第24章 裏で
…え?
いない?
降谷さんには…え?黒田さんは?
ぐるぐると頭で考えた。
「でも…彼女は…?え?」
「…弟?じゃあ…花をなぜ伝えない?…は?弟?」
ぶつぶつと降谷さんも何かを言っていて、お互いが眉を寄せた。
「…めぐみ。」
「はいっ」
低い声で名前を呼ばれ、私は背筋を伸ばした。
降谷さんが口を開いた瞬間、降谷さんのスーツのジャケットからバイブ音が聞こえ、降谷さんは私から一歩下がりながら携帯を取り出し、画面を見つめた。
「…ちっ。」
「よびだしですか?」
「あぁ、着替えて行ってくる。」
夕方のこれから着替えないといけないってことは、きっと組織の呼び出しなのだろう。
降谷さんは眉を寄せ、携帯をしまうと私の髪の毛に手を伸ばしてきた。
「…。」
「また、話そう。」
「は、はい…。」
本当は今すぐ色々聞きたい。
なんで、家に弟がいることを知っているのか聞きたい。
なんで…今、私の髪に触れているのか……聞きたい。
「今日はもう終わりだったか?」
「いえ、風見さんに頼まれて、ハロちゃんのお散歩に。あと色々雑用とか残ってます。」
「あー、そう言えば風見に頼んでいたな。」
今日は風見さんも急用で外に出ている。
そのため朝から頼まれていたのだ。
「…もし、ハロのことが終わって用事がないなら、そのまま僕の部屋に残っててくれても構わない。」
「…っ。」
話をしようと言うことなのか、降谷さんは私の手首をそっと掴んできて、一気に体が熱くなった。
ーー…確かに話をしたい。聞きたいことだってたくさんある。けどっ
「いえ…弟が待ってるのでっ…!」
弟を理由に私は逃げてしまった。
話はしたいけれど、今降谷さんの部屋で2人きりというのはたぶん耐えられない。