第24章 裏で
「試してみるか?」
遮音用のヘッドホンを手にしながら、降谷さんは自分の銃を私に差し出した。
私はその銃を見つめた。
そして、私はゆっくりと首を振った。
「私は…こっちを使います。もう癖も手触りも…全部知ってる、公安になってからずっと一緒にいる相棒なんです。」
私は自分のリボルバーを撫でた。
浮気をしてしまうと、感覚が鈍ってしまいそうだった。
「そうか。まぁそれもいい。見せてくれるか?」
そう言って降谷さんがヘッドホンを付けたので、私もヘッドホンを付け、カウンターの前に立った。
レンコンの形のようになっているシリンダーに実弾一つ一つこめていき、まっすぐ的に向かって腕を伸ばした。
右足少し前に出し、ハンマーをカチリと下げるとまずは1発。
射撃場に銃音が響いた。
あとはオートなのでハンマーを下げる必要ない。
残り4発、的の中心に向かって放った。
「ふぅ。」
遮音用のヘッドホンを首にかけ、シリンダーを開けると薬莢をカウンター落とした。
カランっカランと響くこの音が好きだった。
「うん。見事だ。噂になるだけある。」
「ありがとうございます。」
「きっとこれはめぐみの武器になる。日頃から訓練を続けるように。」
「はい。」
前の私の家でのことがあったと言うのに、お互い普通に出来ていた。
たまに思い出してしまって、体が熱くなるのは秘密だ。
私が銃を片付ける準備をしていると、降谷さんがチラリとこちらに視線を向けてきた。
「…そう言えば家に……。」
「家?」
少し言いづらそうにするのは珍しい。
どうしたのだろうかと私は降谷さんに身体を向けた。
「いや…、めぐみは彼氏がいるんだったか?」
「へ…?」
そんな事を聞かれるとは思いもせず、間抜けな声が出てしまった。
「いや、いませんよっ。いたら降谷さんとあんな事ー…。」
するはずがないと言いかけて、私は口元を押さえた。
ーー…しまった、降谷さんにはいるのに、これじゃあ嫌味みたいじゃないか。