第24章 裏で
「ただし。」
少し真剣な声で影くんが話した。
「…なに?」
「閲覧制限なので、コピーや印刷とかは出来ません。なるべく痕跡は残したくありませんから。僕のパソコンから見るだけにしてください。」
そう言われて私はコクコクと頷いた。
バレるようなことは避けたい。
「あとひとつ。」
「なーに?」
「デートは必ずしてもらいます。」
「…え。」
「危険を犯すんですから…ね?」
…確かに、影くんには危ないことてもらうんだから、デートの一つや二つ…。
「まぁ、ご飯くらいなら行こっか。」
「今は誰か来るかもしれませんから、また今度。」
「うん、私も他の仕事あるから、また教えて?」
「デートはいつでも。」
にっこり笑う影くんに頷きながら私はカバンに荷物を入れていった。
「…降谷さんが気になりますか?」
「んー、まぁ、だってすごい人じゃない?」
「そっちの気になるじゃなくて…好きなんですか?」
「えっ?」
「高橋さんと付き合ってないんでしょう。」
タタンっとキーボードを叩きながら淡々と話す影くんを黙って見つめた。
「高橋さんとの態度とか見てたらわかります。僕はずっとめぐみさんを見てましたからね。」
影くんはこちらを見ることなくそう言った。
「…ごめん。」
「まぁ、僕がアピールしすぎたからそういうフリをしたんだろうなってわかりましたけど、おかげでめぐみさんがフリーだとまた分かったんで。」
「フリーだとしても、付き合う気はないぞ。」
「前も言ったでしょう?それでも…やっぱり好きなんですよ。」
「…ありがとう。」
別に彼に好意を持たれることに対して嫌悪感を感じているわけではない。
素直にお礼を言うと、影くんも優しく微笑みかけてくれた。
「影くんは…すごいね、相手にちゃんと気持ちを伝えられて。」
「そうですか?普通ですよ。」
「…相手の気持ちがわからないと、私には無理かな。」
「降谷さんですか?」
「ねぇ、さっきもそれ言ってたけど、私別に降谷さんのこと好きだなんて言ってないよ。」