第24章 裏で
次の日には捜査資料を作り上げて降谷さんのパソコンに送っておいた。
「影くん。」
「あ、出来ました?」
「今送るね。」
左隣りの席にいる影くんにも資料を送ると、影くんは大きなヘッドフォンを外し首にかけた。
「今回の爆破犯は単独で、結構機械に強い男みたいなんですよね。遠隔操作で色々いじってるみたいで。」
「それで影くんが担当なのね。」
「はい。さすがめぐみさんの資料だ。犯人の性格、年齢、思想、これを加味していけば…、次狙うところを絞れるかもしれない。」
カチカチとマウスを動かし、何かを入力していく影くん。
あまりの速さに何をしてるのかよくわからない。
「ねぇ…影くん。」
「なんです?付き合ってくれる気になりました?」
「ううん、ちょっと…頼みたいことがあって。」
「…珍しいですね。仕事じゃ無いってことですよね?その言い方。」
手を止め、影くんは私を見た。
私は執務室に誰もいない事を確認して、顔を近づけた。
「影くんなら消されたデータとか、昔の資料とか復元できる?」
「容易いですよ。僕ならね。」
「私がこんなこと頼んだって内緒にして欲しいの…。」
「…。」
長い前髪からチラリと見える影くんの意外と鋭い目。
本当はルール違反だし、バレたらきっと減給どころじゃないかもしれない。
ーー…でも知りたい。
「…降谷さんが関わった事件の資料を。特に私が風見班に入る前の“来葉峠”でのことと、今潜入してる組織について。」
「ゼロを調べろと?」
「彼を疑ってるとか、不審に思ってるとかじゃないの。ただ…そのーー…知りたくて。」
「それなら消されては無いですよ。閲覧制限がかかってるだけで。」
影くんはニヤリと終わった。
「イタズラは…僕も好きですよ?」