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うちの上司は【DC/降谷】R18

第20章 初めての


当日にいきなりお店に入って、さぁ演奏というわけにもいかないので、前日にリハーサルも兼ねて潜入先のお店で演奏することになっている。


沖矢さんともう1人、潜入をすることは知らない沖矢さんのに知り合いが、サックスを担当してくれるんだそうだ。


「いい服だな。」

お店に着いて、店長に挨拶を済ませ演奏の準備をしていると、黒いスーツを着た男性が立っていた。
長い肩までの黒髪に、黒縁メガネ。声は低く穏やかだ。

背の高さと状況からみて、変装をした沖矢さんだろう。

「なんとお呼びすれば?」
「黒井と。」

全身黒いから黒井さん…?

「白い服を着たら白井さん、赤い服で赤井さんだったりするんですか?」
「くく、まぁそうかもな。」
いつもと違う声だったから変な感じがするが、沖矢さんに違いはない。私はいつも通りすることにした。


私は床を引き摺るほど長いドレスをくいっと持ち上げ、踏まないようにしながらギターを持った。

「今日と明日。よろしくお願いしますね、黒井さん。」
「あぁ。」

黒い髪をなびかせ、沖矢さんはアコーディオンを肩にかけた。

お店の人にも週末依頼されたただの演者という設定だから、仕事はきちんとしなければならない。
沖矢さんともう1人のサックスの人とで、薄暗い広い店内で演奏する。

その間も私は店の構造、客層の雰囲気、店員のことなどを頭に入れていった。

お酒を楽しむお客さんの前で数曲ひいたあと、バックヤードに入って沖矢さん達と休憩のため、用意されていた椅子に座った。
自分で持ってきていた水を飲んでいると、沖矢さんに髪留めを指さされた。

「これは明日録音する予定です。今はしてないですよ。」
「彼は聞いてないんだな。」
「はい、今日も当日も別の仕事してるはずです。」
「…君1人か?」
「えぇ。」
「相当君を信頼してるんだな。」
「一応…部下ですから。そんなみんながみんな同じ仕事しないですよ。そっちは総出でくるんですか?」
「いや、オレだけだ。」

風見さんだって高橋だってそれぞれが必要な潜入をしたり、仕事をしている。
私だって、このくらい1人でやれる。

私は、ぎゅっとギターを握り沖矢さんを睨みつけた。


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