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うちの上司は【DC/降谷】R18

第19章 ねぇ


ギターを持つ手を上から覆うように握られ、降谷さんは左の指で弦を押した。

「ここは、この指を使うといい。」
「…はい。」


右耳の真後ろで言われ体がカチカチに固まってるのが自分でもわかった。

「力抜いて。」

無理だよ!

「めぐみは右手で弾きながら、僕の左手の指の動き見てて。」
「は、はいっ。」

そうだ。これは指導だ。
集中しなきゃ…。
とは、思っても背中の温もりのせいで、心臓がどうにかなってしまいそうだ。

ごつごつとした綺麗な指をじっと見つめた。
男らしい指なのにしなやかに動く。

「…ここ同時に押さえるんですね。」
「そうだ。やってみろ。」
「はい。」

私がギターを弾き始めると、上から見えやすいように降谷さんが覗き込んだ。

「出来たじゃないか。」

緊張しすぎて無心で指を動かしたら、出来なかった指の動きがいとも簡単に出来てしまった。

「降谷さんの指を…みたので。あの、ありがとうございました。」

そっと立ちあがろうとしたら、手を引かれまたトスンと座りそのままの勢いで降谷さんにもたれてしまった。

「あのっ!」
「よく寝れた。ありがとう。」
「…っ。」

腰に手が周り肩に降谷さんの顔が来てるのがわかる。

「昨日、あれから仕事ができて寝てなかったんだ。」
「…それなら私の食事なんて気にせず休んでください。」
「……。」

すりっとおでこを私の肩にすり寄せてくる降谷さんに私はどうしたらいいのかわからなくてただただじっと身体をかたくしていた。
ーー何がしたいんだろう。
甘えたいなら、恋人にすればいい。私なんかじゃなく…。


でも、振り払うこともできなくて私は腰に回る降谷さんの腕にそっと指を添えた。


「…そんな格好するな。前も言った。」
「そ、そうですよね。練習するときはちゃんとしないと…。」
「そうじゃない…。」
「…?」

否定され私は後ろに視線を向けた。
肩から顔を上げた降谷さんと目が合い、その熱い視線にドキッとしてしまった。

「…我慢できなくなる。」
「え?」
「…なんでもない。」

降谷さんは私からまた視線を逸らすと立ち上がった。

「仕事に戻る。」
「あっはいっ!」
「後数日、頑張ってくれ。」
「はい。」

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