第18章 出会い
恋人がいてもいい。だなんて、そんなのダメ。
「だめ…降谷さん……」
「ダメだという顔をしていない。」
「…っ。」
私は降谷さんの手首にそっと手を乗せた。
押し返さないと。
あとで辛くなるのはわかりきってる。
「練習…しなきゃ。」
「5分だけ。」
鬼みたいに厳しくて、いつも完璧主義者で、何考えてるのかわかんない…だけど誰よりも努力して、優しい人ーー…
「降谷さん…やっぱり……だめ…」
そう言いながらも私は降谷さんの膝の上にそっと手当てをしてくれた手を置いて降谷さんを見上げた。
理性ではダメだとわかっていても、私はこの人の温もりを求めてしまう。
「めぐみ。」
「降谷さん…。」
私はそっと目を閉じた。
ーー…5分だけ。
どうか…私を許して。
私は降谷さんの胸に手を添えた。
「…ん。」
温かいーー。
寒かったあの小屋を思い出して胸がドキドキした。
触れた降谷さんの唇はあの時以上に優しく柔らかかった。
私はジャケットを脱いだシャツ姿の降谷さんの背中に手を回し、降谷さんは私の後頭部に手をやり髪を乱した。
もっともっとと、自分から求めて、彼の首に手を回した。
「ふ、降谷さんっ…んっ…」
「めぐみ…」
舌を絡め、相手の呼吸ごと全てを自分のものにするように私は降谷さんを求めた。
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ぽわぽわする頭の中、私はゆっくり目を開けた。
頭を撫でられている。
暖かくて気持ちいいーー…
「起きたか。」
「…ん…ん?」
「ちっ、スーツが汚れた。」
ガバッと顔を上げると不機嫌そうな降谷さん。
「…っ!?」
「よだれふけ。」
「ふぁ…っ!?えっ!?」
何がなんだがわからない。
私はソファで寝てしまっていたようだが…
「上司の膝で寝るとは流石だな。」
「えっ!?す、すみません!」
私の肩から落ちる降谷さんのジャケット。かけてくれていたのか。
ーー…え。私はどこから寝ていた?
「あれ?…あの…私いつ寝ました?」
「…?手当し終わったら急に倒れてきたが。」
ーーじゃあ、キスは…?
な、なんて夢を見てるんだ!!!私は!!!
これじゃあ…まるで求めてるみたいじゃない!!
よ、欲求不満なんかじゃない!!!