第18章 出会い
「どうだい?独奏だから迫力には欠けるけど、いいもんだろう?」
「マスターさん、すごいです!私感動しちゃった!」
演奏が終わり、立ち上がるとマスターは私達のところにきてくれた。
私も立ち上がり、沖矢さんの手をぎゅっと握った。
「沖矢さん!連れてきてくださってありがとうございます!すっごく勉強になりました!」
「それはよかったです。」
「私、すぐ帰ります!帰って今の覚えてるうちに練習したい!また明日同じ時間に来ます!」
「あ、あぁ。それはかまわないよ。また明日おいで。」
マスターの手も、力いっぱい握りしめると、私は二人に手を振った。
「本当にありがとうございました!!じゃあ!」
カウンターの席からぴょんっと飛び降りると、私は二人に挨拶をして走って家に向かった。
今すぐ練習したい。
すごく感動した。
急いで家に向かい、玄関を勢いよく開けるとそこにはちょうど降谷さんが靴を履こうと立っていた。
「あ、降谷さん!」
「こんな夜にどこに行っていた。」
「…すみません。」
「練習は。」
「それがすごいんです!今ジャズバーに行ってきて直接近くで演奏見てきたんです!」
「ほぉ。」
少し怒っていた様子だったが、私が演奏を見てきたと言えば、降谷さんは感心したように頷いた。
「目で盗んできました!練習してきます!」
「そうか、それはよかった。頑張れ。」
ぽんっと頭を撫でられ、私は靴を急いで脱ぎ、リビングに向かった。
椅子に腰掛け、ギターを持つと、先程のマスターさんを思い出した。
すごく力を抜いていた。
水が弾くような、そんな風にーー…
「ふぅ。」
時間を忘れて練習を続けてしまっていた。
でも、何かを掴んだ気がする。あと数日。頑張ってこの調子で練習すれば、いける。
「いいな。」
「降谷さんっ、すみません!もう帰ったのかと…!」
振り返ると、降谷さんがソファに座っていた。