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うちの上司は【DC/降谷】R18

第4章 苦手でも


私は必死で平常心を保ちつつ、メニューを開いた。

メニューの端でチラッと覗くと、鬼の上司が笑顔でもう一人の女性店員と談笑しているでは無いか。


『まだか。』
『あぁ。』
『わかった。』
『風見』
『早くしろ。』


と、淡々と話すあのキリッとした面影はゼロだ。ーーゼロなだけに。

などと、バカなことを考えながら私はメニューを閉じた。

すると、それに気付いた女性店員が私に微笑みかけペンをエプロンから取り出しながらこちらに向かってきた。

「ご注文はお決まりですか?」
「カフェオレのホットください。」
「かしこまりました。あ、そこの足元のコンセント、使ってくださいね。」
「ありがとうございます。」

ふわふわとした優しそうな店員さんだ。


「安室さーん、カフェオレホットお願いしまーす。」
女性店員がカウンター内にいる鬼上司に言うと、鬼上司…ならぬ安室さんがにっこりと笑った。

「はーい。」

なんだ、そののんびりした返事は。

なんだが背筋が凍ってブルっと震えてしまった。

え、双子じゃ無いよね。

そう思ってしまうほど普段の上司とかけ離れていた。

ダメだ、キョロキョロとしたり安室さん達ばかり見ていたらまた帰った時鬼上司に怒られてしまう。

私は急いでカバンからノートパソコンを取り出した。
プラグを刺し、パソコンを立ち上げ不自然のないようUSBを机の上に置いた。


さっさと渡してコーヒーを飲み干し、喫茶店を出よう。



「お待たせしましたー。」

しかし持ってきたのは女性店員さんだった。
…安室さんはカウンター内で何か調理をしているようだ。
私の席に持ってくるタイミングがちょうど悪かった。

「ありがとうございます。」

私はテーブルに置かれたカフェオレを見つめた。
暖かくていい香りでとても美味しそうだ。


ーーー…まって。あの鬼上司が入れたコーヒー?


ゴクリ。


私はただただカフェオレを見下ろした。

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