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うちの上司は【DC/降谷】R18

第15章 寒さの中で


降谷さんは少し眉を寄せ、私を急かした。

「冷える。早くしろ。」
「は、はいっ。」

私はおずおずと降谷さんに近づいた。
降谷さんは私を引き寄せ、段ボールを引いた上に降谷さんは座り、その足の間にすっぽりと入り込んだ。
前の開かれたジャケットの中に入り、私は降谷さんの胸に頬を寄せた。


「……。」
「かなり冷えてるな。」
「……。」

膝を立て体を丸め降谷さんの腕の中だ…。
ガタガタと震えていた身体が、少しずつ温まってくるのがわかった。
泥のついていたパンプスは脱いで、私は自分の手で足先を温めた。


「…ごめんなさい。こんな…」

ドキドキする。
雨の音がする小屋の中、上司にこんなことをさせてしまうなんて。

「いや…。」

降谷さんの吐息が耳にかかり、私は身体を縮こませた。

ーー…どうしよう。耳が赤くなってる気がする。


「高橋に悪いな…。」
「…?」

急に高橋の名前が出て私は顔を上げた。
思った以上に降谷さんの顔が近くて、私は身を引きそうになったが、降谷さんの腕がそれを許さなかった。


「高橋とつき合ってるんだろう?」
「…え。」
「まぁ、とは言え仕方ない。後で僕からーー」
「い、いいです!」

私は慌てて降谷さんの服をぎゅっと掴んだ。

「なんだ、高橋は嫉妬深いのか?」
「いや、そうじゃ無くて…」

少し揶揄うような降谷さんに私は必死に首を振った。

ーー…自分だって黒田さんとつき合ってるんじゃないのか。


「…ふ、降谷さんには関係ないですっ。」
「…そうだな。」

冷たく言ってしまって、空気が悪くなった小屋の中で、降谷さんは私を引き寄せる力が少し強くなった。


「…違うんです。」
「何がだ。」
「ちょっと困ったことがあったので、高橋にはつき合ってるふりを咄嗟にしてもらっただけなんです。」
「…あぁ、影月か。優秀なんだが…僕から言った方がいいか?」
「いえ、降谷さんの手を煩わせるのは悪いので、自分でどうにかします。仕事に支障ないようしますので。」

こんなただの恋愛沙汰で、上司の手を借りるなんて悪くて、私は降谷さんからの提案を断った。
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