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うちの上司は【DC/降谷】R18

第15章 寒さの中で


私達は小さな農具や機具が置かれた小屋に着いた。

もちろん人なんていないだろうが念のためノックして中を覗いた。

「いないか。とりあえず雨宿りさせてもらおう。寒さも凌げる。」
「…はい。」

確かに酷く冷える。
中は意外とすっきりとしていて、普段から使われているようだった。
と言うことは近くに民家はあるんだろうが、この暗闇に雨の中だ。
無闇に歩くより、朝まで大人しくしておくほうが得策だろう。


「…すみません、降谷さん。」
「まったくだ。あんなゴミを人に見間違えるなんて。」

中にあった洗われている雑巾を手にして服を拭いていく降谷さんは、私にもそれを投げてよこした。
濡れたままよりいいだろう。私は雑巾で服の泥を落として行った。

「今風見に連絡した。明日の朝には天気は回復するからそれからだな。」
「…はい。」

しょんぼりしちゃう。
私のせいでこんな目に遭ってしまって。

「コート、脱いだ方がいい。濡れたままだと冷える。」
「…。」

しかし脱いでも凍えそうだ。
ーー…寒い。

ガタガタと震える手でゆっくりコートを脱いだ。


「…悪い。」
「…え?」
「急で、仕事の終わりのままの格好だからそんなに厚着じゃないんだろう。」
「…はい。」

室内で仕事をするのにそんな必要はない。スカートのスーツにパンプス。上に軽いコートを着てるだけだ。
こんな真冬の山の中でする格好じゃない。
目的地で買う予定だったから。

足の指先は感覚も無く、身体の芯から震えた。


「夏目。」
「…はい。」
「おいで。」

降谷さんは自身が着ている厚手のジャケットを広げた。

私は戸惑った。おいでと言われても…
降谷さんはきちんとした厚着をしていて、ジャケットも中までは濡れてはいない様だった。
そのジャケットをむしろ貸して欲しい。

ーー…脱いでよこせなんて言えないけど。

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