第14章 彼氏
今日は公安部での会議だ。
と言っても、私はサポート係くらいで、いつものように資料を作り会議室に資料を置いたりするくらいだ。
あとはプロジェクターで資料を写せるようにセットしていく。
内容が内容なだけに普通の事務員には任せられないのだ。
「めぐみさん…彼氏いたなんて。しかも同期の高橋さん。」
「わぁ!いるなら声かけてよ!」
誰もいないと思っていた会議室にぬぅっと現れた影くんに私は飛び跳ねおどろいた。
「同じ同期なら僕でもいいでしょう。」
「別に同期が理由で付き合ってるわけじゃないよ。」
「めぐみさん…めぐみさーん…。」
「ごめんね。仕事しなきゃだから。」
うじうじしている影くんに背を向け、私は黙々と作業を続けた。
「なら、一回だけキスさせてくださいっ!それで諦めます!」
「いいわけないでしょ。どんな漫画よ。」
「えー。」
「ほら、仕事の邪魔。私はこの後降谷さんから頼まれた仕事あるから。」
ささっと会議室の仕事を終わらせ、私は地下に向かった。
その間もだるそうに後ろをついてくる影くん。
「影くん、自分の仕事は?」
「降谷さんに頼まれてますよ。」
「…やらなきゃ。」
「やってますよ。今ハッキング中です。まぁまぁなセキュリティだったんで時間がかかってるんです。放置してて大丈夫。」
ふぅっと、ため息をついて私は影くんを無視することにした。
相手しても無駄だから。
と思ったら、ぐいっと手首を引かれて廊下の暗い所に引っ張られた。
「ちょ、影くん!」
「少しだけです。」
ドンっと壁に押し付けられ肩を掴まれた。
「いい加減にして。仕事中。」
「一つだけ教えてください。」
「…なに。」
「本当に付き合ってるんですか?僕に嘘をつくためにふりをしてるんじゃないですか?」
「…。」
「視線が動いた。犯罪心理学では人は嘘をつき追い詰められると視線を斜め下に向ける傾向にあるんですよ。」
ーー…犯罪心理学て。
人を犯罪者みたいに言わないで欲しい。