第14章 彼氏
「…私は本当に……。」
高橋とつき合ってます。といえばいい。
そうすれば影くんは離れてくれる。
でも、付き合って欲しいと真剣な顔で言ってくれた高橋にも何だか悪い気がして……。
「…やば、キスしていいですか。」
「だ、だめだって!はなれて!」
「困って顔が赤いめぐみさんの顔。やばいです。」
ーーー…変態だ!
「高橋とつ、つき合ってるの!離れてっ。」
どんっと突き飛ばし私は影くんから逃げるように階段に続く廊下を走った。
はぁはぁとそんなに走ってないのに、呼吸が乱れる。
もう!どいつもこいつも!!仕事しろ!!
「夏目。」
執務室近くで後ろから話しかけられ振り返るとポアロの帰りだろうか、ラフな格好した降谷さんがいた。
「あ、お疲れ様です。」
「…あぁ。」
ーー…もしかして影くんといるところを見られただろうか。
暗い廊下で壁ドンなんて、普通ない状況だ。
「今資料印刷します。」
「あぁ。」
執務室に急いで入って自分の席のパソコンを開いた。
後から入ってきた影くんはイヤホンをして、自分のパソコンに目を向けた。
彼だけは特別にデスクトップで、モニターも3つくらい並んでる。
彼の後ろにも何やら機械もずらっと並んでいる。
ーー今ハッキング中って言っていたから重要な案件抱えているんだろう。
「夏目。この後頼みたい案件があるんだ。安室の方で。」
「安室さん、探偵のほうですか?」
「あぁ。ちょっと急なんだが、泊まりになりそうだ。」
携帯を確認しながら降谷さんは少し眉を寄せた。
「毛利先生…困ったな。」
と、降谷さんは小さく呟いた。