第14章 彼氏
「めぐみさーん、一緒にランチ行きません?」
「お弁当なんすね!いーなー、今度僕も食べてみたいな。」
「あー、横顔も可愛い…。」
「めぐみさん、一緒に帰りましょ。」
断っても放置しても無視しても、影くんはめげず私に話しかけてきていた。
毎日毎日毎日…。
あまりにしつこくてほとんど無視していたのだが、ちょっと疲れて私は資料室に逃げてきていた。
端っこの方で座り込んで大きなため息。
悪いやつじゃないんだけどな。
「よぉ、生きてるか?」
「高橋…。」
「すげーアプローチされてんじゃん。」
「はは。高橋はなーに?何か過去の事件の資料探してる?」
膝の上にノートパソコンを乗せて仕事をしていた私は、何か探し物を手伝えるかと高橋を見上げた。
「いや、特に何も。めぐみが大変そうだったから。」
「ほーんと大変。上司にお願いして配属変えてもらいたいくらい。」
「でも、影月のやつ。降谷さんに直談判して配属してもらったみたいだせ?」
「え?」
直談判って。自分でゼロを特定して、会いに行ったと言うことだろうか。
「あいつ、そういうハッキングとか得意だろ?公安部が追ってた犯罪グループの機械という機械にハッキングして追い詰めて、降谷さんの存在も場所も特定して、犯罪グループを差し出したらしい。部下にして欲しいって。」
「そこまでして?」
「あぁ、それだけゼロの下で働きたかったか…もしくは、今の感じ見るとめぐみがいるからってのもありそうな気もするけど。」
揶揄うように笑う高橋。
「…ねぇ、私の携帯やパソコン、ハッキングされて監視されてないよね。」
「一応命令がない限り警察関係者にはハッキングしないって誓約書を書かせたらしいけど、めぐみのならしてるかもな。はは。」
「…。」
「冗談だよ。」