第3章 そんなの知らないっ!
朝早く、トレーニングを兼ねて走り込みをしながら今日のやるべきことを頭でリスト化していくのが日課だ。
名刺は作ったからあとは印刷していくだけ。
降谷さんに頼まれた仕事も過去の資料を昨日のうちに出したから今日にはまとめられるだろう。
そういえば風見さんに降谷さんの潜入先への伝達係って言われたけれど、どこに潜入しているんだろうか。
ーー…勝手に調べるのはきっとダメだろう。
「ふぅ。」
ジャージ姿で汗を拭き、ストレッチ。
できる時は毎朝やってる。
今日は早めに行って仕事をやろうと、走り込みをさっさと切り上げ家に戻った。
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私は内勤が多いので、家からタンブラーを持ってきて地下の新しい自分の席に置いた。
付箋やメモ帳、ペンなど自分の使いやすいものを昨日のうちに準備したものを引き出しにしまい準備できたところで、ガチャリとドアが開けられた。
ネクタイを緩めた状態の降谷さんだった。
「っ!!」
私はこんな朝早くに来るとは思わなくてガタッと立ち上がった。
「あぁ、いたのか。」
「おはようございます!」
「昨日から徹夜なのか?」
「いえ、今来ました。」
「…あぁ、今もう朝か。」
ぽそっとそういうと、降谷さんは机で何か書類とパソコンに目を通し始めた。
ーー…もう朝か?
え?昨日からもしかしてずっと仕事をしていたのだろうか。
朝とは思えない疲れ具合だ。
ゼロには私の想像できない仕事をしているんだろう。
私は朝家で淹れてきたコーヒーをタンブラーに入れているのを思いだした。
「…。」
飲んでくれるだろうか…。
それに昨日の失礼な態度も謝りたい。
パソコンと書類を交互に見比べている降谷さんを見ていると、私の視線に気付いたのか目だけをこちらに向けてきた。
「あ、あの…。」
「資料がもしできてるなら貰えるか。」
「あ。すみません。今日中には出来ます。」
「…公安ならこれくらいの資料はやく欲しいんだが。」
『公安ならこのくらい自分で作れバーカ』
ーー…絶対根に持ってる!!
「すみません…。すぐやります。」
私は彼にコーヒーあげるのをやめ、席に座った。
私…この人苦手かも。