第13章 策略
「貴方は防衛省の幹部からお金を受け取ってますね?」
「…っ。」
「口座を別名義にしていても、こちらで全て調べはついています。」
「…。」
「今回、事件が明るみに出て、焦った貴方は、犯行を夏目刑事になすりつけ、自殺に見せかけ殺害する予定だった。」
竹寺は黙秘を選んだのか、むすっとした表情のまま何も話さなくなった。
「黙っていれば防衛省のお偉い人が助けてくれるとでも思ってるのですか?」
「…。」
「残念ながら、防衛省の幹部の方は3日前に辞任しています。」
「なっ!」
「貴方に後ろ盾はありません。大人しく話していただけますね?」
「……っ。あいつが…俺に自首を勧めたから!だから殺してやったんだ!」
「あいつとは小井崎さんで間違いありませんか?」
「あぁ!最後に夏目に資料を渡しやがって!突き落としてやった!同じように夏目も眠らせてからやるつもりだった!」
「不安分子は消す…ということですか。」
竹寺は歯を食いしばり、淡々と話す風見さんを睨みつけると、高橋と風見さんに挟まれ、私の部屋から出て行った。
ポツンと残された私はとりあえず、竹寺が残した白い布に触れないよう箸でつまみジップロックに入れたりした。
「夏目。」
「ぎゃっ!…降谷さん。もう少し音立てて入ってください。一応私の家ですよ?」
「悪い。」
…悪いって思ってない。
私の部屋に入ってきた降谷さんは玄関の花の後ろに録画状態で置いておいた降谷さんから渡された携帯を回収した。
これも朝急に指示されたことだ。
『朝、竹寺が夏目を襲いに家に行くだろう。僕が渡した携帯で玄関を録画、制圧しろ。』
たった、それだけのメールを早朝5時に送ってきたのだ。この上司は。
なんの理解もしないまま、私はとりあえず朝ごはんを食べながらその時を待っていたのだが,本当にその通りになるとは。
「いつから降谷さんは動いてたんですか?」
「さぁ、いつからだと思う。」
私に手を差し出したので、携帯だろうと私は降谷さんに自分の携帯を渡した。
恐らく盗聴されてるアプリを消去していってるはずだ。