第13章 策略
次の日の朝だった。物事が大きく動き出したのはーー…。
『次のニュースです。先週起きた都内のナイトクラブで20代の男性が死亡していた事件で、25歳の会社員が逮捕されました。男性は警察に対し、“仲間に命令されてやった。”と供述しており、警察は仲間と思われる男性が関与している可能性が高いと見て、任意同行を求めました。』
『いやー、びっくりですよ。この事件大きくなりそうですね。』
『ここらのグループは何やら数年前から色々トラブルを抱えてたと聞きましたよ?』
『SNSでは若い男性のナイトクラブでの素行の悪さが話題で、何かあるたびに店ぐるみで口止めもしてたみたいですね。』
『動画も出回ってると聞きましたね。』
『SNSの動画は信ぴょう性がないこともありますが…世間に出回ると早いですからね。』
『えぇ、数年前のナイトクラブの事故ももしかしたら殺人だったのではと、ネットでは話題になってるようですね。』
『ここまで広がると警察も動くんじゃないですか?』
朝のアナウンサーとコメンテーター達の話を私は口を開けて見ていた。
「…うそ。」
私はテレビ画面を見つめながら持っていた箸をポロリと落とした。
ーー…任意同行?防衛省の息子のことだろうか。
アレだけの揉み消しを簡単にした防衛省の幹部だ。任意同行ぐらいならどうにかしたんじゃないのか。
素直に任意同行に応じたと言うのだろうか。
「一体何が…?なんで…?」
私はピッピッと色んなニュース番組にチャンネルを変えていったが、言ってることは特に違いはなかった。
降谷さんがやったの?
…嫌でもまだ逮捕には至ってないし。
数年前の事件のことはまだ捜査すら出来ていない。