第12章 キス
「おーい夏目ー。」
「はーい。」
「内線3番に交通部から。」
「はーい。」
今度の会議で使用する資料をホッチキスでまとめていると、声をかけられ公安部の机の上にある固定電話の受話器をとった。
交通部には友人もいるし誰かだろうか。
「はい、夏目です。」
「10分後、第二資料室。」
それだけ言うとプツッと切れた。
男性の声だ。
ーー…誰だろう。
盗聴をしている人物か。
降谷さんに捜査をするなと言われてから、私は何もしていない。
一体誰が。
誰なのかわからない以上表情に出すのもまずいと、表情には出さないように電話を戻すと、席をたった。
ーー…降谷さんに報告した方がいいだろうか。
そう思ったが10分後だ。
それに流石に警視庁内で殺しなどはしないだろう。
きっと話をするだけ。
念のため銃の確認だけして私は言われた通り第二資料室に向かった。
第二資料室は窃盗など公安部ではあまり取り扱わない事件などの資料が置いてある。
膨大な量のため大きな部屋ではあるが、奥の方になるとあまり人が来ない場所だ。
部屋に入ると人、しーんとしていて誰もいない。
薄暗く少し寒い。
一番奥の方だけ一つ蛍光灯が灯っていたので、そちらだろうと私は静かにそちらに向かった。
心臓がドキドキと音が外まで聞こえるのではないかと思うほどだった。
ーー…こんなところに呼び出すなんて。
並んだ棚一つ一つに誰かいないか見て行った。
奥まで行っても誰も見当たらず、まだ来ていないのかもと引き返すため振り返ると目の前に人が立っていた。
「…っ!!」
驚いて声をあげそうになったが、口を押さえられ声は出なかった。
ーーー…降谷さんっ!
そこにいたのは降谷さんだった。