第34章 え?暇なの?
花子 side
大人しくしている条件として私は2つカイドウに申し出をした。1つ目は、今まで通りペー君達と暮らす事。2つ目は、1日1回はコハクに会える様にしてもらう事。人質の身で生意気だと睨まれたけど…。
ー聞いてくれないんなら、このまま爆発してやるっ!ー
当然、そんな事出来る筈もない笑われたけど私は自分のブレスレットを無理矢理外そうとした。コチコチと部屋に響く爆弾の起動の音。私の行動に焦ったペー君とうるティちゃんが、カイドウに必死に懇願してくれて爆発する事は無かったけど…。
(チビるかと思った…!)
ペー君達が止めてくれなかったらあのまま私は死んでいた。流石に爆死は嫌だ…。
「よぉ、相変わらずアホ面してんな。」
「…ノックぐらいしてください。」
ぼぉっと窓から海を眺めていたら馬鹿にする様にニヤニヤと笑いフーズ・フーさんが部屋に入って来た。
「ユーは何しにここに来た?」
「発音悪ぃな。」
煩いな!こちとらずっと日本で生活してたんだよ!英語なんてAha?しか分かんないんだかんね!
「…英語、勉強しよう。」
「何言ってんだ、お前。」
フーズ・フーさんは私の前にドカッと座ると呆れた顔で見下ろしている。ペー君達は今いないと伝えたら、そんなの知ってるとドヤ顔で言われた。
「じゃあ、何しに来たんですか?」
「あ〜…。」
あ〜やら、う〜と口をへの字にして唸っている彼を見つめていると、目の前に包みを突き出された。
「…土産だ。」
「はぁ…ありがとうございます…。」
中身を見てみると有名なお茶屋さんのお団子があった。え?どう言う事?
「…こないだの詫びだ。」
首を傾げる私にフーズ・フーさんは首の後ろに手を置き罰が悪そうにしている。この間って…あの時の?
「…変な物拾い食いしました?」
「…ブチ犯すぞ。」
「物騒っ?!」
いやいや!代償デカくない?!大体、貴方そんな事するキャラじゃないでしょ!多分!
「わざわざ…買ってきてくれたんですか?」
「…うるせぇ。」
顔を逸らし口をへの字にして悪態を付く彼に思わず顔が綻ぶ。そっか…わざわざ謝りに来てくれたんだ。
「ありがとうございます。良かったら一緒に食べませんか?」
「…甘いもんは好きじゃねぇ。」
そう言いながらも彼は顔を顰め一口お団子を食べてくれた。