第31章 おかえり…ただいま
花子 side
「もう大丈夫そうだな。」
「だから、もう平気だよぉ。」
足の診察をするロー君に私は過保護だなぁと苦笑いをする。彼が私の所を訪れるのは見張りもあるけど、足の経過観察をする為。
「そう言えば錦えもんさんは大丈夫?」
「あぁ、大分良くはなってるがまだ治んねぇみたいだ。」
この国の水の毒を解毒するには邪含草って薬草が必要だって、薬屋のオジさんが言ってた。でもそれはとても珍しいらしく、中々手に入らないみたい。
「もし邪含草が手に入ったら薬作っとくね。」
「頼む。」
診察が終わりお茶を淹れようと立ち上がろうとする私の足をロー君が掴む。その手はどんどん上へ這い上がりするりと太股をひと撫でした。
「…ロー君、何やってんの?」
「ん?」
いや、ん?じゃないよ!ん?じゃ!?診察の為少し捲った着物の裾を左右に大きく開かれ私の太股が顔を出す。
「ちょ、ちょっと!ロー君?!今、お昼!」
「…夜ならいいのか?」
そう言う問題じゃない!ぎゃあぎゃあ騒ぐ私をよそにスルスルと帯を解いていくロー君の何と器用な事か。
「ほんとっ、誰か入ってきたらっ…ンッ」
「…。」
首筋に顔を寄せるロー君の肩を押すと意外にもあっさりと退いてくれた。拍子抜けしている私から身体を離したロー君は入口に向かい扉が開かない様、衝立てを立て掛ける。
「これで邪魔は入らねぇ。」
「ちっがぁうっ!!」
何、キメ顔でアホな事言ってんの!?イケメンだけど!扉を施錠したロー君は1度手を綺麗に洗い私に組み付いてくるけど、気の使う所が違くないっ?!
「やぁっ、ろーくんっ!」
「観念しろ。」
くちゅくちゅと舌を絡め取られ身体の力が抜けていく私の着物をロー君は1枚1枚剥ぎ取っていく。
「はぁっ…惚けた顔してんなぁ。」
「ロー君っ、恥ずかしい…。」
いつもより明るい部屋。窓からは人の声が耳に入り、壁が薄い事に気付く。もし家の前を誰かが通ったら…明日から外歩けないっ!
「声、聞こえちゃうっ…それに明るい…。」
「…だったら。」
ロー君はニヤリとすると自分の帯を解き私の口を塞ぐ。余った端で私の目を覆い、コロリとうつ伏せにされ何かの紐で私の手首を縛った。
「これで…何も気になんねぇな。」
光も声も自由も奪われ耳元で囁くロー君の楽しげな声にゾクリと背中が震えた。