第21章 あなたはわたしのもの
「やっと着いたよい。」
マルコはふぅと息を吐き能力で不死鳥の姿に変えていた身体を元に戻した。白ひげを弔い色々合ったがやっと花子に会えると思うと自然と心が踊る。
「確か…ジルのおっさんの店だったな。」
いきなり自分が来たと分かると彼女はどんな顔をするだろう。驚いた花子の顔を思い浮かべ緩む口元を耐えながらマルコは足早に町へ向かった。
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マルコ side
おっさんの店に行くと扉にはcloseの文字。まだ準備中かと思ったがそれはおっさんとの仲だ、多めに見てくれるだろうよい。構わず中に入ると案の定店には誰もおらずがらんと物悲しさすら感じた。
「悪いな、まだ開店してねぇんだ…。」
「久し振りだねい。」
「マルコ?!」
裏から出てきたおっさんは俺の姿を見るなり驚き目を見開いている。それもそうか、会うのはもう何年振りになる。
「お前、今まで何してたんだ?白ひげ海賊は解散したと聞いたが無事だったんだな!何で此処に?」
「おいおい、いきなり質問攻めかよい。」
いきなり捲し立てる様に詰め寄ってくるおっさんに苦笑いを浮かべる。驚くと口数が増えるのはこの人のいつもの癖だ。
「花子が此処にいるって聞いたんだがまだ来てねぇのか?」
「…花子?」
花子の名前を出した途端、おっさんは顔を歪め何故か辛そうな顔をしている。どうしたんだと尋ねれば、おっさんはふと息を吐くと取り敢えず座れと椅子に腰を下ろした。
「お前、花子に会いに来たのか?」
「あぁ、赤髪といた時にたまたま会ってな。」
もしかして今日は休みかと高揚していた気持ちが少し下がる。ぐっと唇を噛むおっさんに首を傾げると重い口を開く様に話し出した。
「…花子は、いねぇよ。」
「やっぱり休みだったか。」
だったら今日はおっさんの飯を楽しんで日を改めるかと考えていると、おっさんは眉間に皺を寄せ首を横に振る。
「あいつは…此処にはいねぇ。」
「…どう言う事だい?」
おっさんの口振りに今度は俺が眉間に皺を寄せる。まるで花子がこの島にいない様なそんな口振り。
「あいつは…花子は…今"ドレスローザ"にいる。」
おっさんから語られた事実に俺は言葉を失った。