第56章 サンタのおっさん
〜回想〜
三神涼子5歳はクリスマスに邪悪な計画を立てていた。
「よしっ!サンタのオヤジを取っ捕まえてプレゼントたんまりと頂いてやるわ〜!」
なんとプレゼントを大量に強奪する為にサンタを捕らえようとしていたのである。
「サンタなんて妖怪や霊みたいなもんだし?楽勝ね!」
使い方はとんでもないがこの頃から涼子の霊能力は優れていたのである。
そして待つ事数時間…とうとうサンタがやって来た。
「サンタのおっさん!捕獲!!」
涼子は霊体用巨大網をサンタに向かって振りかざした。
サンタ「げっ!?なんだこのガキ!?」
間一髪でサンタはそれを避ける。
「大人しく捕まって私の家来になりなさい!」
プレゼントを大量強奪する計画のはずがいつの間にやら自分の家来にする計画に変わっていたのである。
サンタ「はっ!このサンタクロース様がそんな邪悪なガキなんかに捕まるかってんだ!!」
子供の大好きなサンタのセリフとは思えないと思うが涼子相手なので仕方ないだろう。
「くそっ…今度はこの霊捕獲専用ロープで…いだだだだだ!!」
サンタ「いい加減にせんか!バカもん!」
涼子はサンタに両頬を抓られる。
「いってぇ…暴力反対!」
サンタ「網持って襲いかかって来た奴が何言っとるんじゃい!!…ったく!100年以上サンタをやっとるがこんな子供は初めてじゃ。」
「…100年って…化け物?」
サンタ「化け物言うな!まぁ人間じゃないのは確かじゃがな。」
「だろうね。はぁ……せっかくあんたを拉致監禁してプレゼント大量に奪う手筈だったのに。」
サンタ「本当に邪悪なガキじゃのぅ。そんな悪ガキには本来のプレゼントも無し!!」
「…いや〜ん!ちょっとしたおチャッピーじゃない!許してちょっ?」
サンタ「それが謝る態度かー!!」
「ごめんなさいごめんなさい!…あっ!おじいちゃま?ビール飲む?」
サンタ「お?気がきくじゃないか!」
このサンタは兎に角酒が好きなのである。
「(よっしゃ!酔わせてプレゼント強奪に作戦変更だ!)」
こうしてサンタは酔い潰れ爆睡してしまい涼子の邪悪な野望は見事成功したのであった。
それからなんやかんやでサンタは酒目当てに毎年、涼子の部屋へ寄るようになり2人は顔見知りになったのである。
〜回想終了〜