第53章 束の間の休息
「……………。」
人参の皮を剥くだけでとてつもなく危なっかしい状態である。
不二「(……手の皮も一緒に剥かないか心配だな。)……涼子さん?よかったら一緒に作らない??」
「だって周助…疲れてるのに…」
不二「クスッ…大丈夫だよ?僕は少しでも涼子さんの近くに居たいし…手伝わせてくれない?」
「……周助がそう言うなら…ジャガイモの皮剥いてくれる?」
不二「うん。」
そして2人でカレーを作る。
不二「クスッ…まるで新婚共働き夫婦みたいだね?」
「………そうね?」
不二「…あれ?いつもなら『新婚とか気ぃ早いわよ!』とか言うのにな〜?」
「ゔっ……確かに気が早いわね!」
不二「照れないでよ?嬉しいくせに〜!」
「…そうやって喋ってばっかだと指切るわよ?」
不二「クスッ…そうだね。ちょっと集中する事にするよ。」
涼子と不二は2人で時間をかけてカレーを作り出来上がったのだが…
「ゔっ……私が切った野菜がどれかよく分かるわ……」
形がいびつなのでどれが涼子が切った野菜か、ぱっと見で分かるのである。
不二「クスッ…いいじゃない?僕の分、涼子さんが切った野菜いっぱい入れちゃった!」
「…結構山盛りだけど食べ切れるの?」
不二「クスッ…まだまだ育ち盛りだから余裕だよ?」