第6章 夏風邪
「…………両親と…弟の夢です。」
母「あぁ…涼子ちゃんのご家族って海外なのよね?」
「……違うんです。本当は………もぅ……みんなこの世に居ないんです。」
母「………えっ?」
「一昨年……大阪であった一家惨殺事件知ってますか?」
母「えぇ…確かご夫婦と息子さんが亡くなったって………もしかしてそれが…」
「被害者が私の両親と弟です。私は修学旅行に行っててたまたま助かったんです。そして1人になって……親戚の薫ちゃんの両親が私の面倒見てくれるって言ってくれたけど…流石に悪いし……暖かい家族の中に入るのはまだ抵抗あって…近所に住むって事になって…それで変な時期に青学に転校して来たんです。」
母「そうだったの……。」
「ごめんなさい。こんな重い話して………でも…久しぶりに夢に出てきて……苦しくて……!?」
不二母は涼子を抱きしめた。
母「おばさん……こんな時に気の利いた事言えないけど………いいのよ?辛かったらいくらでも話してくれて。さっきも言ったけど…私は涼子ちゃんを娘のように思ってるから…。だから、いくらでも甘えていいんだからね?」
「ゔっ……お母さん……お母さ〜ん!!」
涼子は泣きながら不二母に抱き着いた。
母「…よしよし。」
そしてしばらく泣いて落ち着いた頃、熱も下がったのでリビングの方に行く。