第29章 カナヅチの秘密
〜回想〜
その頃は東京に住んでてね、私の家族と薫ちゃんの家族で一緒にプールに行ってみんなで仲良く遊んでたの。
「薫ちゃ〜ん!!」
海堂「涼子姉ちゃん!待ってよー!!」
「待たないよ〜だ!!悔しかったらここまで来い!」
海堂「ゔっ…」
薫ちゃんのお気に入りのビーチボールを取り上げて返してあげないでいると薫ちゃんは泣き出してね。
母「涼子!薫ちゃんを虐めないの!」
「虐めてないよ?遊んでやってんだもん!」
母「涼子!!」
「…ちぇっ!返せばいいんでしょ!」
あの頃はオカンが怖かったから渋々ビーチボール返してやったんだけど…
海堂「薫ちゃんのボール!!」
薫ちゃんに返した途端とてつもなく嬉しそうな顔しやがったのでなんか面白くなくてね。
「代わりにこっち貰ったー!!」
海堂「わっ!!」
私は薫ちゃんの水着を脱がせて持ち去ったの。
母「コラー!!涼子ー!!」
海堂「涼子姉ちゃん!返してよ!!」
「ヤダよ〜!!そのままフルチンで居れば〜?」
海堂「ゔっ…ふぇ〜ん!返してってば〜!」
フルチンの薫ちゃんは恥ずかしくて私を必死に追いかけたわ。だから私も本気で逃げてやったんだけど…
「や〜い!!フルチン〜!!恥ずかし……ぎゃっ!!」
ちょっと調子に乗っちゃったら私は大人用プールに落っこちたわ。
「だずげでー!!」
そして見事に溺れてその日から私はカナヅチになったの。
〜回想終了〜