第3章 *ヤキモチ 【及川徹】
でも、その時気付いちゃったんだ。
及川の事が
好き。
でも、もう遅いや。
今更気付いたってもう無駄。
あれだけ酷いことしたんだもん。
当然だよね。
及川は私の事、嫌いになったんだ。
…いや、そもそも私の事なんか好きじゃなかったのかもしれない。
ただ、面白いからからかっていただけかも。
でもなんだかんだ言って、及川にからかわれるのが好きだった。
だって及川が自分から話しかける女の子は私だけだったから。
勝手に特別扱いされてるなんて思っちゃって、ホント何自惚れてるんだろ。
もっと私が素直になれてたなら。
もっと私が可愛かったなら
この結果はhappy endに変わっていたのかな…?
これほど自分を悔やんだことなんてないぐらいに自分を責めた。
すると、突然目の前に影ができた。
顔を上げてみると、そこには及川が立っていた。
「優希ちゃん何泣いてんのー?」
及川はそう言いながら私の涙を拭ってくれる。
そっか、私…泣いてたんだ…。
「泣いてる理由、よかったら聞くからさ、どっか人がいない所に行こ?」
そう言って私の手を引いた。
私は無言で及川について行った。